イベント開催報告

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イベント開催報告

山口の新たな観光施設・帰郷庵(ききょうあん)

 

 平成22年11月27日、嘉村礒多(かむらいそた)生家は、田舎暮らしを体験できる宿泊施設として生まれ変わりました。
「山口市では、嘉村礒多生家を本市出身の私小説家嘉村礒多の顕彰とともに礒多が愛し作品に描いた農村景観を生かした都市と農村交流による地域の活性化を目的に整備いたしました。
 嘉村礒多生家は、築後130年を経た山口県の伝統的な茅葺屋根の古民家でございまして、礒多が見上げたであろう吹き抜けの天井から見える立派な梁や大黒柱、意匠をこらした欄間など、可能な限り当時のままに保存するとともに、古民家の雰囲気をより身近に感じていただくために、囲炉裏やかまど、五右衛門風呂などを再現しております。」

「帰郷庵」ホームページ

※改装前の様子は、山口市の史跡「第16回 嘉村礒多生家」でご覧下さい。

 駐車場がスロープの手前、画像の左下に設けられています。

 石垣は昔のままです。

 これが「帰郷庵」です。茅葺きはそのままに残されています。このような屋根は市内でも数少なくなっており、また残されていてもトタンで覆われて見えなくなっていたりして、こんなふうに見ることができるのは、とても貴重です。

 画像の手前の空き地に以前は母家にくっついた納屋がありましたが、現在は取り壊されています。

 勝手口です。引き戸は昔の形のままです。
 帰郷庵という名は全国で公募された中から選ばれたものです。決定理由は、「ここを訪れた人が自分のふるさとに帰ったようにくつろいで欲しいという思いと、礒多が作品の中で『私は都会で死にたくない。異郷の土にこの骨を埋めてはならない。』と書いているように、ふるさとを愛した礒多の思いをくむことができるネーミングであるため」ということです。

 今回据え付けられた看板の書は、市内在住の書家村上真実さんによるものです。木に直接書かれています。
 じかに書きつけるのはとても珍しいことだそうです。

 勝手口の戸をあけて、一歩中に入るとこのような光景です。土間で、台所となっています。

 上を見ると、大きな梁が。天井も吹き抜けです。

 勝手口入ってすぐ左側の六畳間が、嘉村礒多についての説明コーナーです。
   嘉村礒多は、明治30(1897)年に生まれました。
   明治44(1911)年、旧制山口中学に入学しましたが、退学します。(このときのことをのちに「途上」という小説でえがいています。)

 その後、さまざまな苦労を経て、私小説作家葛西善蔵に師事。昭和3年「業苦」を発表して、注目を集め、文壇に名が広まりました。
   同じ山口市出身の詩人中原中也も礒多の作品を「めっけもの」と評価していました。
   残念ながら礒多は結核となり、昭和8年、35才の若さで亡くなります。
   現在も、日本の私小説を語る上で欠かせない存在として、その作品は読み継がれています。

 以上のことが、正面のタペストリーにさらにくわしく書かれています。
 このタペストリーは巻き上げることもできますので、宿泊のさいはこの部屋もぶち抜きで使えます。

 部屋の右側は事務室です。4畳半の部屋には冬はこたつがあり、宿泊のときはこたつで暖まることも出来ます。

 部屋の左側は、いまでは珍しい形の障子がはめこまれています。

 障子の奥は玄関です。玄関の格子戸をすかして外の様子をみることができます。

 展示室の隣の事務室の、さらにその隣に3畳の板間があります。その奥に6畳の広さの囲炉裏の部屋があります。

 囲炉裏は、火がともされていなくても、見るだけで暖かく感じられます。

 ここで薪をくべて、鍋を食べることができます。

 立派な鉤です。天井は吹き抜けになっています。このため囲炉裏の部屋は全体が温まることはありません。

 大きな梁の組み方をみているだけで飽きません。

 囲炉裏の部屋の隣には6畳の部屋が2つ続いています。

 上の画像の奥の障子を外から見ると、玄関の左側にある障子ということがわかります。

 その障子の前から囲炉裏の部屋をふりかえったところ。
 4部屋が襖などで隔てられているだけということがわかります。

 上の画像の左奥にすすんだ位置から撮影しています。左手奥に、ホワイトボードが置いてある3畳の部屋がさらにあります。

 何人で泊まっても大丈夫な広さです。

 電灯はこのような形です。

 冬の光を雪が反射して、電灯をつけていなくても室内は明るいです。

 こういう障子を、腰板付中窓障子といいます。

 さて、4部屋の奥にさらに2部屋あります。ホワイトボードが置いてあった部屋から一歩奥に入るとその部屋が見えます。

 奥から振り返るとこのような眺めです。欄間の彫が目立ちます。

 この部屋の障子はまた別の形をしています。この障子を開くと景色を大きく眺めることが出来ます。

 帰郷庵は日中は貸館として、夜は宿泊施設として利用できます。
●時間利用
  1,000円(1時間)
利用時間
 午前9時〜午後5時

 ●宿泊利用
 大人 3千円/1人
 小人(小・中学生)千5百円円/1人
  ※小学生未満は無料
 入館(チェックイン)午後1時〜
 退館(チェックアウト)〜午前11時

  ※部屋単位での貸出不可。
  ※時間延長は次に予約がなければ可(別途有料)
  ※時間利用は準備・後片付けを含めた時間となります。
≪食事について≫
 自炊施設となりますので食材をご用意ください。
●予約申込・利用について
 山口市仁保地域交流センター
  TEL:083−929−0433(受付専用電話)
  平日 8:30〜17:15

 さて、障子の外には縁側があります。縁側の前に小さな中庭があります。

 上の画像右手奥の門は、玄関の左側にある門です。玄関側からみたところです。

 縁側の逆側には扉があります。彫刻がほどこされたところを右にスライドすると開きます。

 こちらにも縁側があります。土蔵とのあいだはこういう感じです。

 この2部屋は欄間の彫刻に目が行きます。

 3つの欄間があり、それぞれに違った特徴があります。

 この部屋には押入れがあります。蒲団です。足りない場合は、山口市仁保地域交流センターに連絡すると届けてくれます。

 もうひとつの押入れにはシーツや、湯たんぽが入っています。
 さらに夏の為にすでに蚊帳も用意されてます。

 この2部屋の隣が洗面室です。洗濯機も用意されてます。

 洗面室のわきがお風呂です。風呂は五右衛門風呂です。薪で沸かす事もできますし、面倒な時は蛇口から湯が出ます。

 風呂の外はこういう感じです。

 台所です。
 台のうえにはポリタンクがあります。帰郷庵からさらに奥に入った森の中に平家の泉という湧水があり、そこから汲まれた水で、この水で御飯を炊いたり、鍋を作ったりしたら、さらに美味しいでしょう。

 かまどで自炊体験ができます。

 こういうので御飯を炊く経験と云うのは滅多にできないとおもいます。

 外に薪が用意されてます。

 シンクが二つある台所です。外を眺めながら調理できます。

 いちおうIHコンロも用意されてます。

 勝手口のわきに冷蔵庫があります。

 冷蔵庫の隣に、食器棚です、

 アンケート用紙やノートが置いてあります。ノートには、すでに宿泊で利用された方々の感想が書かれてありました。

 さて、この帰郷庵への道ですが、山口市仁保にある「道の駅」の交差点を山口市仁保地域交流センターの方へすすみます。

 しばらくは川沿いにはしります。

 広々とした仁保盆地がひろがります。

 数日前に降った雪は、市中心部ではすでに雪がとけてましたが、ここのあたりはまだまだ雪が残っていました。

 廃校となった校舎の前を通り過ぎます。ここには嘉村礒多の文学碑があります。

 300M手前でようやく帰郷庵がみえます。

 

 帰郷庵のそばには集落があります。ここをすぎれば峠を越えたむこうまで民家はありません。

 帰郷庵周辺にはいろいろな名所があります。併せてぜひ見学してください。

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