イベント開催報告

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イベント開催報告

企画展「水墨こめづくり『四季耕作図屏風』に描かれた道具」

(2020・6・26/更新7・1)
 


今年、雪舟生誕600年に関連して、令和2年5月19日(火)〜7月5日(日)まで山口市歴史民俗資料館で、企画展「水墨こめづくり『四季耕作図屏風』に描かれた道具」が開催されています。観覧料金は一般110円。※70歳以上および18歳以下の方、障害者手帳等をご持参の方とその付き添いの方は無料


 館所蔵品の屏風の一つ、6曲1双の「四季耕作図屏風」は雲谷派の画家、雲谷等爾(1615〜1671)の作品です。雲谷派は雪舟の雲谷庵を再興、その画系を雲谷等爾の祖父、雲谷等顔が継承したことから始まりました。


 種まきからぬか落としまでの季節の流れとともに米作りの様子を描いています。


 屏風の見方が紹介されています。


 右隻4扇では水牛に犂を繋いで田おこしをしている様子が描かれています。水牛やロバが描かれていますが、農作業において牛馬は、田畑の整備や物の運搬を手伝ってくれる非常に大事な存在でした。


 全国各地に牛馬の安全を司る神様や、牛馬のための行事・芸能がありました。山口県内で行われていたのが、この「腰輪踊」です。腰に輪をつけ、頭に鳥の飾りをつけて踊るこの芸能は、牛馬安全・風鎮祈願等のために舞われていました。


 こちらが犂です。地域によって様々な違いがある道具です。地面に接している木製部品「犂床」の有無や長短が地域や年代によって違います。また、牛にひかせるか、馬にひかせるかによっても違います。


 左隻2扇では稲刈りをしていきます。この時に使う道具が鎌です。


 稲刈りによく使うのは「鋸鎌」や「稲刈り鎌」と鋸のように刃が凸凹しており、柄と刃が鋭角についています。この絵に描かれている鎌は柄と刃が直角になっており、刃も滑らかで一般的な草刈り鎌のように見えます。


 左隻4扇では、脱穀の様子が描かれています。こちらは唐棹です。中国の稲は、唐棹で叩くことによって脱穀が可能でした。日本での脱穀は、「扱き箸」や「扱き管」と呼ばれる道具を使って稲を扱いていました。千歯こぎが普及したのは元禄時代(1668〜1704)頃からです。


 左隻5扇では精米の様子が描かれています。臼と杵を使って「米つき」を行っている様子です。


 杵で臼を突くことによって、ぬかを剥がします。大きな臼を囲んで5人の男性が杵で臼を突いています。その隣の建物中では男性が、棒で臼をつつきながらシーソーのようなものを踏んでいます。これも精米の様子です。「大唐臼」「ダイガラ」と呼ばれる足踏み式の臼です。その手前ではざるを使って米とぬかを分ける作業が行われています。


最後の6扇目が欠けています。恐らく精米した米を俵などにつめ、貯蔵用の蔵に入れる様子が描かれていたのではないでしょうか。


 雲谷派が描く『四季耕作図屏風』の特徴は女性や子供が登場することだそうです。屏風と、米作りで使われた道具をぜひ見てみてください。

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