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修復作業の様子

■ 平成21年(2009年)6月〜10月の作業

作業
本堂組立工事


■ 平成21年6月5日



 いよいよ今月から組み立て作業が始まります。



 6月3日は組み立て作業の無事を祈って、立柱式が行われました。



 地面に並べられているのは、柱と柱を横につなぐ頭貫の部分の木でしょうか。
 こうやって並んでいるという光景は二度と見られないと思います。



 こちらは柱です。
 修復の跡がみてとれます。
 500年も支えてきて、そしてこれからも支えていく貴重な柱です。

■ 平成21年6月8日現在



 前回から3日後の風景です。並べられている木の数が増えています。
 組み立て前の最終チェックでしょうか。


 木肌の色が鮮やかなこの柱は新しいものです。
 白木の部分は組み合わされたときには隠れてしまう部分で、色が塗られたところだけ外にでます。
 そういうことを知ってもう一度みると、興味深いツートンカラーとおもいませんか。



 こちらの木は、端のそりぐらいから尾垂木の部分でしょうか。
 こちらも新しい材木です。白木の部分が柱などに差し込まれて隠れる部分です。

■ 平成21年6月12日現在


 5日後にいってみると、様相が全く変わっていました。
 大工さんが作業するときに使う足場が、立方体を埋め尽くすように組まれていました。
 この足場は最後までとかれることはないそうです。



 この穴のようなところから、後日柱が顔を出すのです。どうやって?
 クレーンのようなものをつかって、柱を吊り下げ、上から穴に入れるそうです。



 足場の下のほうです。
 足場のパイプの間をぬって組み立てられていくことをおもえば、大工さんも大変です。

■ 平成21年6月17日現在


 前回よりさらに5日後の風景です。
 6月の第3週目からとうとう組み立て作業が始まりました。
 柱は全部で30本。
 今月中にすべて柱を立てる予定で、3日間でもここまであっというまに組み上がっています。

 この柱群、どの柱から立て始めたか、わかりますか。
 適当にどれでもいいというわけでなく、横木をさしこむ順番によって、最初の一本が決まっているそうです。



 こちらが大活躍のクレーンです。
 これに柱を吊り下げて立てていくもので、こういうものがなくて人力で全ておこなっていた室町時代の大工さんはさぞや大変だったこととおもいます。



 横木をさしこんで、チェックしている風景。



 最後の仕上げに余念がありません。



 足場を下から見てみました。
 いうなればジャングルジムの中に建物を組んでいくようなものです。



 横にさし渡されているのが足場です。
 ああいう高いところを歩けることは作業に便利だということがよくわかります。

■ 平成21年6月18日現在



 これが翌日の風景です。1日しか経っていないのに柱が増えています。



 前面の横にならぶ柱が内陣の柱です。後日、さらに手前に柱が並びます。



 白い木肌が鮮やかな。この部分もいずれ隠れていきます。


 ずらりと並んだ横木。まだら模様なのが目立ちます。一本の木でも隠れたり露わになったりする部分があるというのが良く分かります。



 柱の空洞部分にはいずれ横木がさしこまれる予定です。

■ 平成21年6月24日現在



 さらに6日後の風景です。このあと手前に足場が組まれ、外陣の残りの柱が立てられます。



 前より画面奥の方に柱が立ちました。



 柱の突端に溝があるのが分かりますでしょうか。あそこにも横木などがさしこまれていくのです。

■ 平成21年7月1日現在


 足組が組み立てられ、外陣の柱も立っています。
 このあと、柱がちゃんとまっすぐ立っているか、横木がまっすぐになっているか、確認作業と微調整が行われます。

■ 平成21年7月3日現在


 一般観覧は見学ブースからしかできませんが、この日、取材のために中に入らせて頂きました。
 内部からだと、こういう眺めです。


 柱の礎石です。地震がきても大丈夫なよう、しっかりと据えられています。
 コンクリートの部分はいずれ土で隠されます。いまだけ見られる光景です。

 画像をよくご覧下さい。二種類の木が組み合わさっているのが分かりますでしょうか。上は古い木、下は新しい木に色を塗ったものです。遠くから見ると違いは分かりません。
 このように古い木をできるだけ活かして建てられています。



 下の横木がツートンカラーになっています。白肌の部分はいずれ別の材木によって視界から隠される場所です。


 角の柱を上から眺めた画像です。内部はこういうふうになっているのです。このうえに屋根の重みを支える別の木組みが載りますので、こういうのが見られるのも今だけです。



 柱から突き出た金属、これは地震対策のための補強材です。現代的な技法も使われています。



 上の画像のすきまは、このように木片がさしこまれて固定されます。



 その作業を行っているところです。


 微調整といいましたが、この画像をよくご覧下さい。柱と柱をつなぐ木がまっすぐになっていないのがわかるとおもいます。これをまっすぐにさせる作業が現在おこなわれています。



 これは柱が傾かないよう垂直に固定させる器具です。まっすぐにした状態で、各部分の調整が行われています。



 柱から垂れ下がっているもの、あれは垂直をみる道具です。大昔にも似た道具はありました。昔も今も同じ技法です。



 このあと組み立てられる、屋根を支える垂木です。一部の垂木には、新しい木と古い木が組み合わされて使われています。



 繋ぎ目はこう。


 これから使われる真新しい木に、焼き印が押されています。平成二十一年という年号が入っているのです。何十年後何百年後の修理の時に未来の方がこの木をみて平成時代を偲ばれるとおもうと感慨深いものがあります。

■ 平成21年7月14日現在



 このときもまだ微調整の段階で、目に見える進展はありませんでした。

■ 平成21年7月31日現在


 いよいよ作業は、屋根の部分に入ってきました。2週間のあいだに、頭貫(かしらぬき)や虹梁(こうりょう)が組まれていました。見学ブースからみて今がいちばん面白いとおもいます。一日中みているだけでも進展が早く、飽きさせません。


 この日は、斗きょう(木+共)の組み立てが行われました。屋根の重みを柱に伝える部分です。まだまだ、いろんなパーツが組み合わされていきます。

■ 平成21年8月5日現在



 屋根の重みを受けとめる斗きょう(木偏+共)の組み立てなどが行われていました。先月末の画像に比べて、着々と斗きょうが組み立てられているのがお分かりになるとおもいます。



 この日、特別に内部に入らせていただいて、撮影しました。内部からみると、下記のような風景になります。

 

 

 

 

 

 


 内陣の壁板は新しいものです。以前は大内菱をかたどった透かし彫りがはめこまれていました。現在それはお寺のほうで保存されています。新しい壁板はかつての天台宗の堂だったころを髣髴とさせるものです。

■ 平成21年8月10日現在



 さらに斗きょうの組み立てがすすんでます。この上に、屋根を構成する部材が載るわけであり、相当な重さがこの斗きょうにかかるとても重要な部分です。

 

■ 平成21年8月27日現在



 木鼻(きばな)と虹梁(こうりょう)が据え付けられました。

 後陣の虹梁(外陣と内陣をつなぐ横木)が新たに据え付けられています。
 そのうえに斜めの勾配をもつ真新しい壁板が据えられています。今後、あの斜線にそって垂木が設置されます。来月にはその数が増えて、屋根らしい雰囲気が感じられるようになると思います。



 丸い突起物のようなものが木鼻です。各斗きょうに付く飾りです。段々と完成に近づいていることが感じられます。

 本堂の周囲では木材の加工が急ピッチで進められています。こちらは槍かんなで削っているところ。槍かんなは室町時代にも大工道具としてあり、現在一般につかわれているかんな(台かんな)の登場以前によく使われていたものです。槍かんな使用風景は、室町時代の建物の修復作業ならではの風景で、一般の大工仕事では見られません。ぜひご覧なられて室町時代に思いをはせてください。

■ 平成21年9月16日現在


 斗きょう(木偏+共)の組み立てがすすんでいます。まだ完成ではありません。あちこちの本堂の完成した姿からは想像がつきませんが、斗きょうは組み立てるのにこれだけ手間がかかるというのが、今回実感されたのではないでしょうか。



 斗きょうといっても、いろいろな形があるようです。それらをいくつかご覧いただきます。建築途上だからこそ見られるものです。


 さて、現場には何人もの大工さんたちが作業されています。100年前、500年前の大工の仕事よりももっといい仕事を、100年後、500年後に入る大工がみても感心されるような仕事を成さんと一生懸命です。



 そんな現代の大工さんの働く姿を紹介して今月は終わります。

 

■ 平成21年10月3日現在



 10月3日・4日はアートふる山口開催に伴い、特別に中へ入ってみることができたり、修復についての説明が行われており、実際に見学されたり、聞かれた方も大勢いらっしゃるのではないでしょうか。



 このあとこれに屋根を支える軒柱が取り付けられるようになります。屋根の下の構造が見られるのは今だけです。

 



 欄間がはめこまれ、内側をみることができなくなりました。だんだんと建物らしくなっています。

■ 平成21年10月26日現在



 斗きょう(木偏+共)の組み立てが完成したものもあり、着々と進行している様子がうかがえます。

 

 



 これから使用される材木がこちらです。曲線が見事です。



 屋根は来年、檜皮葺が施される予定です。下の図が完成予定図で、赤色の部分が檜皮の部分です。

 

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