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修復作業の様子

■ 平成22年(2010年)4月〜平成23年(2011年)3月の作業

作業
檜皮葺
内部造作


■ 平成22年4月19日現在


 先月よりずいぶん屋根らしくなったとおもいませんか。特別に入らせていただいて見せてもらったところ、見学ブースから見える部分がもっとも進捗状況が早く、背面がもっとも遅い状況でした。

 今回の修復再建作業では、完成後には見えなくなりますが、屋根の構造に特徴があらわれています。下の画像をごらんください。中央の部分と両端の部分の構造が違うことがわかるでしょうか。解体調査したところ、室町時代は内層の屋根があったことがわかり、その再現です。中央部分も推測では同様とおもわれますが、証拠の建材が見つからなかったのでここだけ変更はされず、結果としてこの複雑な構造になったものです。

■ 平成22年4月23日現在



 前回より4日しかたってないのに、もう屋根の状況がすすんでいます。急ピッチで作業が行われていることがわかります。

さて、いよいよ檜皮葺が始まりました。兵庫県の最高級の檜皮をつかって屋根を葺いていきます。
 まずは屋根の軒面(のきづら)とよばれるところから葺いています。
 ふだんなら見上げるような屋根の上で作業されてますが、ここでは間近にみることができます。伝統の技を見に行かれてはいかがでしょう。

■ 平成22年5月7日現在



 5月は檜皮葺と並行して、屋根の再建も進行しています。ずいぶんと屋根らしくなってきました。

 

 

■ 平成22年5月13日現在



 屋根の外観がはっきりと分かるようになりました。修復前の龍福寺本堂をご存じの方は、感慨深いものがあることとおもいます。



 そうして、いよいよ内部の再建も始まりました。職人さんは暫時屋根の作業から内部作業へ移っているそうです。



 今後、内部で使われる柱です。ふつうの民家より大きな材木が使われていることがわかります。

■ 平成22年5月24日現在



 屋根の再建は今月で終了予定で、来月からは内部の再建が本格的に始まるそうです。
 2階3階の見学ブースからは、来月からは檜皮葺の様子を見学することになります。



 檜皮葺は現在、屋根の周囲が終わっています。



 現場へ行かれると、このように檜皮葺の工程などについて紹介されたものが展示されています。これを機会に檜皮葺についてもっと詳しくなられてはいかがでしょう。




 龍福寺本堂のわきの庭園跡では今年度復元工事が始まるそうです。
 来年には、室町時代の様相を甦らす龍福寺本堂に、室町時代の復元庭園が披露されます。

■ 平成22年6月9日現在



 屋根の景観が着々と完成に近づいています。

 



 檜皮葺が遠目にみても大変美しく、感動します。

 

 



 内部の再建も着々とすすんでいます。

 

 

 



 プレハブのなかでは、建材の補修がひきつづき行われています。





 さて、取材していたら、偶然、龍福寺資料館のわきを発掘している作業に出くわしました。



 底の小さい穴が室町時代のものだそうです。



 土に埋もれているのは江戸時代の瓦だそうです。大量に捨てられた跡です。

■ 平成22年7月20日現在



 現在、2階3階の見学ブースから檜皮葺の作業の様子が見られます。

 



 7月15日、特別に内部を見せて頂きました。



 床板がはられる前の状況です。



 正面からみたところ。完成の暁には、中程(内陣と外陣の境)に室町時代のように板扉が張られますので、このように見通すことができるのは今だけです。



 正面から左手をみたところ。



 正面から右手をみたところ。



 外陣の虹梁も設置すみです。昔の姿が戻ってきています。



 色が違う木は新しくいれた木。完成したときは隠れるので色が塗られていません。



 本堂を縁取るようにならぶ真新しい柱は縁側を支える柱です。



 いずれ柱と柱の間に縁側の床板がはられていきます。



 正面左手の様子。縁側の床板の前に、柱と柱をつなぐ横木を作成しているところ。



 組み合わせる場所をカットしています。



 こちらは倉庫の中で、出番をまつ柱。本堂後方に使われる予定。明治の古い材木と現在の新しい材木の組み合わせです。



 こちらは縁側の床板を平らに削っているところ。床板がこんなにも分厚いとは驚きです。



 斜めになっているところは、いずれ本堂下と同じように、三和土(たたき)で固められます。



 屋根の正面。



 正面を右手前方からみたところ。



 正面右手の角。檜皮が鋭利な角度を形作っています。



 正面左手の屋根がいちばん檜皮葺の作業がすすんでいました。



 正面から見て右手後方の角。檜皮葺師さんの作業道具が置かれています。



 角の檜皮葺が曲線を描いているのが分かりますか。



 直線に葺いているところより角は、檜皮の枚数が√2ほど増えています。



 正面左手後方の角からみたところ。



 こちらの椅子に座って檜皮葺師さんは作業されます。



 鬼瓦がいずれ設置されるところの下は、通気口が空いています。いずれ懸魚で隠されて見えなくなる部分です。

■ 平成22年8月27日現在



 檜皮葺が半分くらいまで進んでいます。猛暑の中でも作業されています。今年中に終わる予定です。



 中央で反射光で輝いているのは鬼瓦の絵です。この位置に後日鬼瓦が設置されます。そしてこの鬼瓦の絵と、下の木までの間を檜皮が覆う予定です。



 内部は床板を支える木が設置されているところです。別の場所で床板が準備されています。

 



 内部の天井は出来上がっていました。



 柱に残る繋ぎの様子。完成時には隠されます。



 縁側も着々と進行しています。内部の床板より先に縁側の板を敷く予定とのこと。

 

■ 平成22年9月17日現在



 檜皮葺(ひわだぶき)は屋根の側面で作業が行われています。



 この複雑な側面の形態に沿ってきれいに檜皮が葺かれていきます。

 

 




 さて、龍福寺の境内から発掘された、大内氏時代の庭の再現工事が始まりました。現地看板には来年2月までと書かれていましたから、春には完成した姿を目にすることができそうです。こちらも併せて今後進捗を紹介していきます。



 青いシートが敷かれているなかに溝があるのは、庭池の排水路を建設中とおもわれます。



 この写真では見づらいですが、中央に一段高くなった砂盛りがあり、これが庭池の中にうかぶ中島になるとおもわれます。

■ 平成22年10月2日現在



 ひわだ葺きが着々とすすんでいます。


 さて、10月2日・3日は、第15回アートふる山口が行われており、それにあわせて、重要文化財龍福寺本堂復原大改修特別公開が行われました。本堂内部の公開 ・檜皮葺作業風景の公開 ・槍鉋の実演 と実施され、多くの方が見に来られていました。

 

 

 

 

 



 1階の見学会場では、説明役の方がおられ、見に来られた方は熱心に聞き入っていました。



 この日の2階・3階の見学ブースでは窓硝子が特別に外されており、普段より檜皮葺の作業風景がよく見ることができました。

 

 

 

 



 会場では檜皮葺につかう道具が展示されていました。特殊な大工道具が使われていることがよくわかります。



 大内氏館跡池泉庭園復元工事も着々と進んでいます。史跡をこわさないよう土を盛り上げたあと、黒い防水シートを張っているところです。

 

■ 平成22年10月20日現在



 10月2日・3日のときの檜皮葺作業風景の公開の跡であろう、突出した檜皮葺が目立っています。
 側面の端の様相が変わっていることに気付かれましたでしょうか。檜皮葺で端の側面を整えたあと、曲線が見事な板で覆われています。

 

 

 



 1階内部も、正面シャッターが開けられて、遠目にですが常時見学できるようになっています。



 2階の見学ブースでは、このように写真付きで、檜皮葺の作業の段取り順に説明が貼ってありました。実際の様子と見比べながら分かりやすく勉強が出来ます。

 



「大内氏館跡池泉庭園復元工事について」
 山口市では平成7年度から大内氏館跡の整備事業を実施中です。この事業は発掘調査で得られたデータをもとに整備の方法を決め、復元整備工事をおこなうものです。
 今年度は池泉庭園の復元工事をおこなっています。本物の池の跡に水をはり、植物を植えると遺構が傷むこと、また、池の水をきれいな状態に保つことが難しいことから、遺構の上に約50pの盛り土をした上に池を復元することとしています。
 現在は、池の基礎をつくる作業をおこなっています。今見えている黒いシートが防水シートです。今後は庭石をすえつけ、植物を植え、見学通路の敷設等を行う予定です。(説明版より)

 



 龍福寺の参道は紅葉のトンネルが色付き始めています。

■ 平成22年11月19日現在



 檜皮葺の作業は進展がないようですが、横のひさしの角が完成してます。きれいに整えられているのが分かります。

 



 また、特別に中も見せて頂けたので、紹介します。天井板が完成してます。床板を張る作業が続いています。

 

 

 

 

 







 庭園づくりは庭池の水路の建設がすすんでいます。

 


 龍福寺はいま紅葉が盛りです。ぜひ紅葉散策の途上にご覧下さい。
 右画像は2階の階段からみた風景です。この眺めを見ることが出来るのは、小屋がある今年度限りです。

 

■ 平成22年12月15日現在


 檜皮葺の作業が急ピッチで進んでいます。この日は4人がかりで作業されていました。
 檜皮葺は来年1月末頃には終了する予定です。
 そして、この工事用の大きな小屋は来年春には解かれます。こうやって2階や3階の高さから見下ろすことができるのもそれまでのことです。



 特別に内部を見せて頂きました。
 現在は、床板を貼る作業が続いています。



 天井の部分はすでに完成しています。床板が出来たら、いよいよ壁面に板やしとみ戸が取り付けられていきます。


 モザイク面になっているのが明らかですが、これは古い板をできるだけ使おうとしている苦心の表れです。昔の外陣の床板は明治時代のもので、室町時代の外陣の床板はその一部が内陣に使われており、それを外陣の位置に戻したため、内陣に空きができたのです。新しい床板は最後に色を塗って目立たなくされます。



 古いのと新しいのを混ぜて使うというのは大工さんにとってはかえって難しい作業です。柱の丸みにあわせて新しい材木をカットするのに何遍も慎重に削っていかなければなりません。
 そしてきれいに完成したのがこちら。

 これは腐食した部分に新しい木を埋め込んだところ。このあと表面を削って平らにします。この穴は、釘が打たれていた場所で、釘の周囲から腐食していっていたためにこれだけ大きな穴となりました。
 この部分は完成後も見られます。目立たないよう塗装がされますが、完成のあかつきには目をこらして平成の大工の技を刮目してください。

 





 庭園の復元作業も着々と進んでいます。庭園に注がれる水の出入りを導く水路作りが大変そうです。

 

■ 平成23年1月20日現在



 本堂の檜皮葺がほとんど完成しています。
 春にはこの見学ブースが解体されますので、上空から屋根が見られるのは今だけです。



 この檜皮葺の模様の美しさは見応え有ります。下からではもうおがめないものです。



 1月中には檜皮葺を完成させると云うことで急ピッチで作業が行われていました。来月には美しい檜皮葺の完成した姿が見られます。



 さて、今回も特別に内部の作業の様子を見せていただきました。
 床板のしきつめ作業が終わり、現在はそのうえで材木の加工作業が行われています。



 柱の内側にある真新しい木は、開閉する扉のためのものです。いままでにはないもので、室町時代の形式を再現したものです。

 枠を付けたような感じで、次回からはこの枠をまたぐようにして本堂中に入ることになります。



 柱に、四角い真新しい木が埋め込まれているのがわかります。埋木をしたところですが、あのあたりには、開閉する扉をすえつけるため、さらに材木を上から重ねてていきます。



 その材木です。柱にそって設置するので内部をわん曲させています。



 本堂中からみたらこんな感じです。



 本堂内部の天井板もすべて取り付けられていました。昔の板と、新しい板と。

 

 



 このように内部の作業も順調に進捗しています。





 室町時代の庭園の再現も春の完成を目指してすすんでいます。形がだいぶ見えてきました。

 

■ 平成23年2月16日現在



 先月で檜皮葺が完成しました。どうですか、この美しい眺め。



 2月は鬼瓦の設置が行われていました。
 これは3階の見学ブースから見たところ。



 そしてぐっとアップ。
 見学ブースからは作業用の板が視界をさえぎってよく見えませんので、特別に許可を頂き、その作業用の板から撮影しました。



 鬼瓦は二対で、阿吽と日光月光がほどこされ、吽と日光、阿と月光に分かれています。
 正面から見て左側は吽と月光です。額の三日月が分かりますか。


 ちょっと引いて見たところ。
 屋根の一番上は瓦です。大内氏の時代はどうだったか記録がないので、室町時代では普通はこうだったということで瓦を据えたそうです。瓦のほかには木があり、こちらはおもに神社で見られる形式です。



 屋根を上空から見ることができるのは春までです。



 そして、こちらが阿・日光の鬼瓦。額に円形の日光がついています。



 口も、かーっと開いています。



 瓦は七層になっています。
  瓦の部分にはさらに円柱形の瓦が設置されて完成です。



 とりつけるために銅線がでています。銅線が埋まっているのは漆喰です。



 鬼瓦の頭部にも、さらにつきます。



 それがこれです。今月中には屋根は完成し、すっきりした姿をお見せできます。



 瓦の先の模様はこれです。これも一般的な模様です。あえて大内菱は入れなかったそうです。



 こちらは丸瓦の模様。これも一般的。



 鬼瓦のさきの檜皮葺は勾配がついています。これは水はけをよくするためです。



 雨の日には檜皮葺の檜皮の形に沿って水滴が垂れていきます。



 屋根に角度が付いていることが光で良く分かります。



 これは本堂裏の観音扉が据え付けられる場所です。枠が完成して、あとは扉を付けるだけです。



 こちらは本堂正面。蔀扉が付けられるところです。
 ちなみに室町時代から残っている建物でこれだけ大きなものは九州にはないそうです。





 庭園の復元は形がかなり整えられていました。完成はもうすぐの様子です。

 

■ 平成23年3月24日現在



 3月、とうとう屋根が完成しました。
 檜皮葺きが美しいです。

 



 今回も特別に中を見学させてもらいました。とはいえ来月には覆っている小屋が解体されますので、この視点から見られるのは今回が最後です。



 本堂の屋根の背面には長い銅線が2本たらされています。これは避雷針の役目を果たしています。
 まぢかで檜皮葺きを見ることができるのもこれが最後です。近くで見ると技のすごさを実感します。

 



 屋根の上の渡り廊下です。今後はこの視点からみることができるのは鳥だけです。鳥になった気分でご覧下さい。

 

 



 上からみた3階見学ブースです。



 正面からみた鬼瓦です。



 小屋のテラスのようなところからみた風景です。

 

 



 本堂の背面です。壁板がとりつけ始められました。



 室町時代の板と真新しい板の両方が使われているのが分ります。いずれ塗装されて、違いが目立たぬようになります。



 縁にも室町時代の板が使われています。この板はこれまで天井板に使われていたそうで、今回からもとの場所に戻されました。ただし短くなっていたので新しい板を継ぎ足しています。解体前の縁よりも長くなっています。

 縁板の節です。節がもりあがっているのではなく、500年の風雪でまわりがすり減ったのです。



 外陣の丸柱の下の部分です。できるだけ室町時代の木材を使おうとしていることがよくわかります。



 こちらは柱の上の部分。



 本堂の内部です。



 4月末までには壁板がぐるりと設置されます。



 これまで何年も覆っていた小屋も4月には解体されます。



 見学ブースへの階段も3月末で閉鎖です。



 これが2階見学ブースでした。



 ここからみた屋根の眺めです。



 近くで修理の様子をみることができました。



 ここには解体前に使われていた鬼板と鬼瓦が展示されてきました。



 これが鬼板です。



 こちらは鬼瓦です。今後は資料館などで展示される予定です。



 2階見学ブースを端からみたところ。



 こちらが3階見学ブースへあがる階段です。



 こちらが3階見学ブースの内部。



 3階からみた眺め。



 もうこの光景をみることはできません。



 長い間、多くの見学者をむかえた場所でした。

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