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大内文化まちづくりの歴史

第4回 街なかのゲンジボタル「ゲンジボタルの基礎知識 」

■ ゲンジボタルが生息できる環境条件

1. 年中清流の大小の河川の存在
2. カワニナの成貝及び稚貝が生息できる水量
3. 川床に岩や大小の小石があり、珪藻類が豊富に繁殖
4. 珪藻類にヘドロが付着しない程度の浄化可能な水量
5. 適当な洪水にあい、古い珪藻が洗い流される
6. ホタル成虫が日中休養できる木陰がある。 理想は一方の護岸に日陰を有し、片一方からは太陽光線が川面を照らす環境
7. 護岸の石に苔が付着し、 産卵場所として1ヶ月湿度を保つと共に、日照も受ける環境
8. 幼虫が外的から生命を守る隠れ場所となる岩石、 大小の石、適当な砂礫を有する
9. 蛹化場所は、砂礫土に植物が適当に繁茂し、 上部は樹陰を形成(竹藪構造)
10. 幼虫が上陸してから土中生活を送るために必要な土

■ ゲンジボタル生涯のサイクル

[ 6月上旬 ]
雌ホタル、交尾後水辺苔類に1粒ずつ散乱し約300個産卵
卵は乳白色、球形0.3o
黒褐色、卵発光

[ 7月中旬 ]
約1ヶ月で孵化2〜3o環状で、水面に浮かぶ、しばらくして水中へ
 ↓
カワニナ稚貝を餌として生育。
日陰を好み、日中は水中の石下、夕方からカワニナ捕食
 ↓
[ 約9ヶ月 ]
6回脱皮、約23〜28個摂食
 ↓
[ 4月10日前後 ]
小雨の夜に幼虫発光しながら一斉に上陸
土中に潜る場所探し3〜5p「土か」土のまゆ
前踊態〜静止のまま約1ヶ月
 ↓
蛹(さなぎ)
約10日で黒色化、約2週間で成虫(2〜3日静止)
 ↓
[ 5/10日前後〜6/20日前後 ]
翅(はね)硬化後、発光し飛ぶ

昆虫綱鞘翅目甲虫類に属す。カブト虫と同じ仲間
完全変態【卵‐幼虫‐さなぎ‐成虫】
2000種、日本40種生息
ゲンジボタルは黒い十字が特徴
寿命メス約6日、オス3日

■ ゲンジボタルの一生

(1) 交尾・産卵
ホタルは孵化して成虫になるとすぐに交尾する。雄と雌の光のやりとりは、大変複雑であるが、この光のやりとりこそ、雄と雌が呼び合って交尾をするために必要な信号なのである。午後5時頃、葉に止まって発光を開始し、次々に発光しながら飛翔する。この時飛翔するのはほとんど雄であり、一斉に明減を繰り返す。この明減はほとんど同調したリズムで続き、周期は西日本では約2秒、東日本では約4秒以上である。

雌は飛翔せず葉や茎に止まり、雄の発光に関係なく時々発光する。雌の数を上回る雄たちにとっては短時間に効率よく雌を探す必要がある。22時を過ぎると雄も雌も飛ばなくなり、光もまばらになる。ところが、零時を回ると再び活動し始める。これは、宵のうちに巡り会えなかったホタルの2度目のチャンスになる。雌の近くに降り立った雄はそこから雌の所まで歩いて行って交尾する。

交尾中の雄と雌は、体をくっつけたまま互いに反対方向を向いて長い間じっとしている。朝までそうしていることもある。

交尾をすませた雌は、少し元気よく水面の低い所を飛び回り、適当な産卵場所を探す。交尾をしてから3〜5日のうちに産卵場所を決めるようである。そこで光を点滅させずにつけっぱなしで強弱を繰り返して発光し始める。別の雌はその光に誘引され、多い時は、1ヶ所のコケに100匹以上の雌が集って産卵することもある。流れのゆるやかな水面近くで、木の幹や石や杭の表面のコケや湿った枯れ葉などの上に卵をかためて産み落とす、積み重ねることはしない。産卵は、午後11時頃から始まって午前2〜3時がピークとなり、明け方まで行われる。産卵を終えた雌ホタルは、近くの草や木の葉に休みに行き、やがて静かに命の灯を消していく。5〜6日かかって産卵を終えるが、はじめの1〜2日で半分以上卵する。1匹の雌が産む卵の数は、少ないもので200個、多いもので600個以上1000個を超えたという記録もある。

【卵の色・形・大きさ】
卵はとても小さいので、肉眼では確認しにくい。虫眼鏡が必要である。大きさは直径0.4〜0.5oくらいである。色や形は、うす黄色の半透明で少しゆがんだ球形である。表面にはゴルフボールのような円形の小さいくぼみがある。

(2) 孵化
産卵したばかりの卵は柔らかいが、時間が経つにつれて次第に固くなり、色も少しずつ変わってくる。10日ぐらい経つと白っぽくなり、幼虫になる体ができてくる。14日目ぐらいになるとかなりはっきりと幼虫の体が見える。さらに、孵化する3日前になると幼虫の背面の斑点まで見えてくる。

孵化までに普通25〜26日、遅い場合は28日かかる。温度と湿度の揃った夜明けがた、口で殻を破って外にはい出る。その間約30秒と言われている。

(3) 幼虫
卵からはい出た幼虫は、体は小さいがその生命力は強く、次の生息場所である川に向かって動き始める。中には30m以上も移動する幼虫もいることが確かめられている。

孵化したばかりの幼虫は、うすい灰色で体長1.2〜1.5oぐらいである。7月上旬に孵化した1令の幼虫は、順調に成長すると8月上旬には体調3〜4oぐらいになり、体も肥満してくる。他の昆虫と同じように脱皮して次第に大きくなっていく。ふつう、脱皮は6回するので「6令幼虫」が最大である。

●第1回の脱皮‥‥孵化からおよそ34〜35日ご脱皮。2令幼虫となる。中には2,3ヶ月おくれや1年おくれもいる。

●第2回の脱皮‥‥第1回の脱皮後30〜50日経つと発育のよい幼虫は体調が約6oぐらいになる。9月上旬から中旬にかけて第2回目の脱皮をする。

●第3回の脱皮‥‥10月末から11月になると幼虫も体長7.5oにもなり、この頃第3回目の脱皮をする。この頃になると水温や水質に抵抗がついてくる。

●第4回の脱皮‥‥室内飼育では、脱皮の終期は11月20日頃で通常3回。4回以降は翌年となる。これは、水温が低下してくるので食欲も減り、活動も鈍ってくるからである。しかし、野外では4〜6回程度の脱皮を年内に終えているものもいる。

●第5回の脱皮‥‥5回目の脱皮を終えると体長も17〜18oとなる。この頃がちょうど初夏の候であると、第4,5,6回目の脱皮が約1ヶ月おきに行われる。

●第6回の脱皮‥‥この頃の体重は約5g(孵化当初の約2000倍)、体長は雄が17o前後、雌が20o前後ぐらいになり、水中で幼虫は12gもの土器片を持ち上げるほどの体力ができている。

脱皮がおくれると成虫になるのに翌年まで待つようになる。

10月〜12月ごろまでが一番多く摂食する。餌をたくさん食べて大きくなった幼虫を「成熟幼虫」と呼び、川の石の下で冬を越し、4月の中・下旬の雨の日に上陸し、土の中で蛹になる。上陸を決定するのは、気温と水温、それに雨である。岸の近くで待機している幼虫は、他の条件が整っていても雨が降って岸が濡れるまで上陸を見合わせる。山口市では、4月10日前後の小雨降る夜、発光しながら一斉に上陸する。

【幼虫の体】
頭・胸・腹の3つに分かれる。
・頭には、触覚と2対の顎と1本の管のある口がある。眼は暗い所に住むためほとんど発達していない。
・胸は、前胸、中胸、後胸の3つに分かれ、それぞれに1対の足を持っている。
・腹には、9つの体節があり、胸と合わせると12の体節があることになる。腹部の両側に9対の毛細気管がある。毛細気管は、酸素を取り入れる働きがある。腹部の一番後ろ節に尾脚があり、その先端部分は吸盤になっていて、体を動かす時大きな役目をする。

【水中生活】
孵化直後の幼虫は直ちに水中に入るが、はじめは環状となって水面に浮かぶ。従って浮上したまま流されることが多く生息率が低い。しばらくすると水中に入り、日中は石の下などの日陰で過ごし、夕暮れ時からカワニナを捕食する。最も多く捕食するのは10月〜12月である。幼虫は自分と同じくらいのカワニナにアタックする。従って、ホタルの幼虫がその場所で順調に成育するためには、いろいろな大きさのカワニナが繁殖している態でなければならない。カワニナは有機質のやや大きい河川の中流から下流にかけて多いので、水質汚染の許容範囲で、カワニナが十分繁殖できる場所と合致した河川の中流地帯にホタルは最も多く見られる。

(4) 蛹・羽化
雨の夜、幼虫は一斉に上陸し、砂地に4〜5pの深さまでもぐる。地中では体をくるくると回転させながら、口から粘液を出して周囲に壁を作る。こうしてできた小部屋が「土窩」と呼ばれる土のまゆで、この中で過ごし約1ヵ月後に蛹になる。幼虫の時とは違った形になる。また、成虫の形とも違い、大節も1つ少なくなり眼が大きくなる。蛹になって10日ほど経つと羽化し始め3〜4日で羽化を終わる。羽化も土のまゆの中で行われる。羽化から3日ほど経ち、羽もすっかり固くなると土をかき分けて地上に出てくる。そして、光を放ちながら飛び立つのである。このように、合計41〜43日かかって、幼虫から成虫になるのである。

(5) 成虫
5月の中・下旬、ホタルが飛び始める頃、盛んに飛び回っているのは雄ばかりである。雌が姿を見せるのは、1週間以上も遅れてからになる。ゲンジボタルの雄は、体長14〜16o、雌は一回り大きくて18〜20oぐらいはある。

雌は、暗い藪陰の草の葉にじっと止まって、ゆっくりとしたリズムで明減を繰り返している。雄は、あちこち飛びながら雌を探すのであるが、雌の数はとても少なく、その割合は1:5かそれ以上である。成虫は口はあるが餌はとらず、水(露)を飲むだけで、幼虫時代にたくわえたエネルギーで生きている。
平均寿命は1〜2週間である。

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